今回は、AIで似顔絵を描くときに意識したいコツやプロンプトの工夫、失敗例からの学びなどを含めた試行錯誤のログを紹介します。実際の画像生成に使えるヒントもたっぷり詰め込んでいます。
1. AI似顔絵の基本 ―「リアルな写真」は参考資料にすぎない
多くの画像生成AIは「写真そのもの」をアップロードしても、その顔をそっくり再現してくれるわけではありません。肖像権・プライバシーの観点からも、生成AIは元画像を参考にしつつも、別の人物のような出力になることが一般的です。
だからこそ、「どこを似せたいか」を明確にプロンプトで指定する必要があります。
2. プロンプトで特徴を言語化する
似顔絵の命は「特徴の表現」。以下のように具体的に書き出すことで、似ていると感じられるイラストに近づきます。
例:ある女性をAIで似せたい場合
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年齢:20代後半
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髪型:明るい茶髪で、巻き髪のセミロング
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顔立ち:小顔で、鼻筋が通っていて大きな目
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雰囲気:柔らかく親しみやすい笑顔
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衣装:カジュアルなブラウス
これをプロンプトにするとこうなります:
“A portrait of a cheerful 27-year-old East Asian woman, light brown wavy semi-long hair, large almond-shaped brown eyes, clear skin, wearing a soft beige blouse, smiling gently. Realistic anime-style illustration with warm lighting.”
細かく特徴を盛り込むことで、AIはそれをヒントに画像を生成します。できるだけ「その人らしさ」が伝わる単語を使うことが大切です。
3. スタイルの選定:リアル調かアニメ調か
AIで似顔絵を描く場合、「スタイル選び」が出来栄えを左右します。以下のどちらかを選び、プロンプトに明記しましょう。
◯ リアル調
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より写真に近い写実的な表現
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メディア風、広告写真風、ポートレートに向いています
→キーワード例:“photorealistic, ultra-detailed face, realistic lighting, high-res”
◯ アニメ調
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デフォルメされた愛らしい表現
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SNSアイコンやVTuber風キャラにおすすめ
→キーワード例:“anime-style, 2D illustration, cel shading, expressive eyes, pastel colors”
同じ人物の特徴でも、リアル調とアニメ調で印象が大きく変わるため、使い道に合わせてスタイルを選びましょう。
4. 失敗例と改善のヒント
❌ よくある失敗1:似ているけど「違和感」がある
これは、顔のバランスや表情の違いが原因です。修正のコツは以下。
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笑顔なら「smiling brightly」ではなく「subtle smile」など表情の強さを調整
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顔の形は「round face」「sharp jawline」など具体的に補足
❌ よくある失敗2:まったく別人になってしまう
この原因は、特徴が曖昧かスタイル指定が弱いためです。
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「young woman」だけでは万人向け
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「27-year-old East Asian woman with long straight black hair and thick eyebrows」など、明確な特徴を盛り込むのが◎
5. 似顔絵プロンプトテンプレート
以下は、誰でも応用できるプロンプトテンプレートです。
📌 テンプレート(リアル調向け)
Portrait of a [年齢] year-old [国籍・人種] [性別], [髪型], [目の特徴], [表情], wearing [服装], in [背景], photorealistic style, ultra-detailed face, cinematic lighting.
📌 テンプレート(アニメ調向け)
A [年齢] year-old [国籍・人種] anime girl, [髪型], [瞳の色と形], smiling, [衣装], 2D anime illustration, pastel colors, cel shading, soft lighting, high detail.
6. まとめ:AI似顔絵は「伝える力」が命
AIは魔法のツールではありません。「似せたい相手」を的確に言語化し、それをAIに伝えるプロンプトが成功の鍵です。言葉の選び方・スタイルの指定・ディティールの描写力がすべてを決めます。
特にSNSやブログ、VTuber風キャラ、名刺などに使う用途があるなら、アニメ調もリアル調もそれぞれ魅力があります。ぜひ、自分らしいAI似顔絵作りにチャレンジしてみてください。
💡 追伸:アップスケーリングや微調整も重要!
生成された画像が気に入ったら、画像を高画質にアップスケーリングしたり、PhotoshopやCanvaで細部を修正するのも効果的です。AI生成は「仕上げ」こそ腕の見せ所です。